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  • フィリピンにおける税務規則の適用と司法管轄権:教育機関の税免除に関する最高裁判所の決定

    フィリピンにおける税務規則の適用と司法管轄権:教育機関の税免除に関する最高裁判所の決定

    St. Mary’s Academy Caloocan City, Inc. v. Hon. Kim Jacinto S. Henares, G.R. No. 230138, January 13, 2021

    フィリピンの教育機関が直面する税務問題は、しばしば複雑で、時には法的な対立を引き起こします。St. Mary’s Academy Caloocan City, Inc. v. Hon. Kim Jacinto S. Henaresの事例は、非営利教育機関が税免除の特権を享受するために必要な規則と手続きに焦点を当てています。この事例は、税務規則の適用と司法管轄権に関する重要な教訓を提供します。

    この事例では、St. Mary’s Academyが、2013年に発行されたRevenue Memorandum Order No. 20-2013(RMO No. 20-2013)とRevenue Memorandum Circular No. 52-2013(RMC No. 52-2013)が非営利教育機関に適用されることについて異議を唱えました。具体的には、RMO No. 20-2013は税免除申請の処理に関するガイドラインを提供し、RMC No. 52-2013は領収書や請求書の有効期限を設定していました。St. Mary’s Academyは、これらの規則が憲法に違反し、非営利教育機関の税免除特権を侵害していると主張しました。

    法的背景

    フィリピンでは、非営利教育機関に対する税免除は憲法で保証されています。具体的には、フィリピン憲法第14条第4項第3号は、教育目的に直接かつ専ら使用される資産および収入に対する税免除を規定しています。しかし、この税免除は特定の条件と手続きに基づいて適用されます。

    税務規則は、フィリピン国家税法(National Internal Revenue Code, NIRC)によって規定され、内部収入庁(Bureau of Internal Revenue, BIR)によって実施されます。BIRは、税務規則を発行する権限を持ち、これにより税務の適用と管理を監督します。RMOやRMCは、BIRが税務法を実施するための具体的なガイドラインを提供するものです。

    この事例に関連する主要な法律条文は、フィリピン国家税法第7条で、税務裁判所(Court of Tax Appeals, CTA)の専属的上訴管轄権を定めています。これは、BIRの決定や税務規則の有効性に対する異議申し立てを扱う権限をCTAに与えています。

    例えば、ある非営利教育機関が新しい領収書の発行を求められた場合、その機関はBIRの規則に従う必要があります。しかし、規則が憲法に違反していると感じた場合、適切な手続きを通じて異議を唱えることができます。この場合、CTAがそのような異議申し立てを審理する適切なフォーラムとなります。

    事例分析

    2013年7月、BIRの長官であるKim Jacinto S. Henaresは、RMO No. 20-2013を発行し、非営利教育機関を含む特定の法人に対する税免除申請の処理と再検証に関するガイドラインを提供しました。続いて、同年8月にはRMC No. 52-2013が発行され、2013年1月18日以前に印刷された領収書や請求書の有効期限を設定しました。これらの規則により、St. Mary’s Academyは新しい領収書の発行を求められ、そうしなかった場合には罰金が課せられると通知されました。

    St. Mary’s Academyは、非営利教育機関として税免除の特権を享受していると主張し、これらの規則が憲法に違反しているとして、2013年11月にケソン市地方裁判所に訴訟を提起しました。地方裁判所は、RMO No. 20-2013を違憲、RMC No. 52-2013を無効と宣言する仮の差し止め命令を発行しました。しかし、控訴裁判所はこの決定を覆し、St. Mary’s Academyの訴えを却下しました。

    最高裁判所は、地方裁判所がRMO No. 20-2013とRMC No. 52-2013の憲法性と有効性を判断する権限を持っていないと判断しました。最高裁判所は次のように述べています:「税務裁判所(Court of Tax Appeals)は、内部収入庁長官の税務発行物の憲法性と有効性を判断する権限を持っています。地方裁判所にはそのような権限はありません。」

    また、最高裁判所は、BIRの規則に対する異議申し立ては、まずCTAに提出されるべきであると強調しました。具体的には、「この裁判所がその審査権を行使する前に、特に政府の他の部門の行為の憲法性と有効性が問題となる場合、適切な裁判所である税務裁判所によって法律と事実の両方が審理されるべきです。」

    実用的な影響

    この判決は、フィリピンにおける税務規則の適用と司法管轄権に関する重要な影響を持ちます。非営利教育機関を含むすべての団体は、税務規則の憲法性や有効性に関する異議申し立てを提起する場合、CTAに直接提出する必要があります。これにより、地方裁判所への訴訟は無効となります。

    企業や個人は、税務規則に対する異議申し立てを行う前に、適切なフォーラムを確認することが重要です。特に、税務規則の適用に関する問題が発生した場合、CTAがそのような問題を扱う適切な機関であることを理解することが重要です。

    主要な教訓

    • 税務規則の憲法性や有効性に関する異議申し立ては、税務裁判所(CTA)に提出する必要があります。
    • 地方裁判所には、税務規則の憲法性や有効性を判断する権限がありません。
    • 非営利教育機関を含むすべての団体は、税務規則に準拠するために必要な手続きを理解し、適切なフォーラムに異議申し立てを行うことが重要です。

    よくある質問

    Q: 非営利教育機関が税免除の特権を享受するためには何が必要ですか?

    非営利教育機関は、フィリピン憲法第14条第4項第3号に基づき、教育目的に直接かつ専ら使用される資産および収入に対する税免除を享受できます。しかし、BIRの規則に従う必要があります。これには、税免除申請の提出や領収書の発行に関するガイドラインへの準拠が含まれます。

    Q: 税務規則の憲法性や有効性を異議申し立てるためにはどこに提出すべきですか?

    税務規則の憲法性や有効性に関する異議申し立ては、税務裁判所(CTA)に提出する必要があります。地方裁判所にはそのような権限がないため、CTAが適切なフォーラムです。

    Q: 税務規則に対する異議申し立てが地方裁判所に提出された場合、どうなりますか?

    地方裁判所に提出された税務規則に対する異議申し立ては無効となります。最高裁判所の判決によれば、税務規則の憲法性や有効性に関する問題はCTAによってのみ扱われるべきです。

    Q: フィリピンで事業を行う日本企業は、この判決から何を学ぶべきですか?

    日本企業は、フィリピンにおける税務規則の適用と司法管轄権に関する理解を深める必要があります。特に、税務規則に対する異議申し立てを行う前に、適切なフォーラムであるCTAに提出する必要があることを認識することが重要です。

    Q: 在フィリピン日本人は、この判決からどのような影響を受ける可能性がありますか?

    在フィリピン日本人は、税務規則の適用に関する問題が発生した場合、適切なフォーラムであるCTAに異議申し立てを行う必要があります。これにより、地方裁判所への訴訟は無効となります。

    ASG Lawは、フィリピンで事業を展開する日本企業および在フィリピン日本人に特化した法律サービスを提供しています。税務規則の適用や司法管轄権に関する問題について、バイリンガルの法律専門家がサポートします。今すぐ相談予約またはkonnichiwa@asglawpartners.comまでお問い合わせください。

  • 教育機関の税制免除:営利活動の範囲に関する最高裁判所の判断

    本判決は、非営利教育機関が憲法上の税制免除を受けるための要件と、免除の対象となる収入の使用目的について最高裁判所が判断したものです。納税者は、税務控訴院(CTA)への上訴期限に遅れたことを理由に、税制免除の資格を失ったとされましたが、最高裁判所は、納税者の上訴を認め、教育目的のための免税資格を認めました。この判決は、税制免除の範囲を明確化し、手続き上の厳格な解釈よりも実質的な正義を優先する姿勢を示しています。教育機関が税制免除を受けるための指針となる重要な判例です。

    非営利教育機関の税制免除:いかなる場合に免除が認められるのか?

    この訴訟は、ラサール教育革新財団(デ・ラ・サール大学-セントベニルド大学)が、内国歳入庁(CIR)から課された追徴課税通知の取り消しを求めたものです。CIRは、財団が収益性の高い活動を行っているため、税制免除の資格を失ったと主張しました。財団は、自らが非営利の教育機関であり、すべての収入を教育目的に使用していると反論しました。

    本件の主要な争点は、フィリピン共和国憲法第14条第4項に基づき、財団が税制免除の対象となるかどうかでした。憲法は、非営利の教育機関の収入および資産が、実際的、直接的、かつ排他的に教育目的のために使用される場合、税金および関税を免除すると規定しています。税法は、すべての収入が教育活動から得られることを要求していません。すべての収入は、非営利団体としての組織の目的に利用されなければなりません。

    CIRは、財団が多額の利益を上げているため、その免税資格が暗黙のうちに取り消されたと主張しました。具体的には、CIRは、授業料収入が6億4,300万ペソに達し、銀行預金が7億7,500万ペソもあることを指摘しました。しかし、最高裁判所は、これらの主張は事実に基づかないと判断しました。6億4,300万ペソは利益ではなく総収入であり、財団の管理費およびその他の費用5億8,290万ペソを考慮すると、実際の収入は6,037万5,183ペソに過ぎません。また、7億7,500万ペソの預金は、資本改善、奨学金、教員育成、退職などの目的のために信託された資金でした。

    憲法第14条第4項(3)
    すべての非公開、非営利の教育機関のすべての収入および資産が、実際的、直接的、かつ排他的に教育目的のために使用される場合は、税金および関税を免除されるものとする。

    判決では、教育機関は、収入を生み出すからといって、自動的に営利目的とみなされるわけではないことが強調されました。健全な財務運営のために余剰金を確保することは、責任ある組織にとって不可欠です。重要なのは、その収入が教育目的のために使用されているかどうかです。最高裁判所は、財団の収入が役員や関係者に利益をもたらすものではなく、教育機関としての目的に使用されていることを確認しました。財団は、教育目的のためにすべての収入が実際に、直接的に、そして排他的に使用または割り当てられていることを十分に証明しました。

    裁判所はさらに、裁判所への上訴期限の遵守を定めた規定の厳格な解釈を緩和しました。財団は上訴期限内に請願書を提出しましたが、訴訟費用を支払うのが9日遅れました。通常、訴訟費用の遅延は管轄権の喪失につながりますが、最高裁判所は、実質的な正義を優先し、この場合における訴訟費用遅延の影響を緩和しました。本判決では、1987年憲法が明示的に認める税制免除は、いかなる法律や手続き上の技術論によっても覆されるべきではないと強調しています。司法制度および裁判所は常に、手続き法の厳格な施行と、すべての当事者が正当な解決を得るための十分な機会が与えられることとの健全なバランスを維持するよう努めています。

    FAQ

    この訴訟の主要な争点は何でしたか? ラサール教育革新財団が、非営利教育機関として憲法上の税制免除の対象となるかどうかです。
    最高裁判所は、財団が営利目的であるというCIRの主張をどのように判断しましたか? 最高裁判所は、CIRの主張を裏付ける事実はなく、財団の収入は教育目的に使用されていると判断しました。
    税法は、非営利教育機関の収入がどのような目的に使用されることを求めていますか? 税法は、収入が実際的、直接的、かつ排他的に教育目的のために使用されることを求めています。
    訴訟費用の遅延は、通常、訴訟にどのような影響を与えますか? 訴訟費用の遅延は、通常、管轄権の喪失につながり、裁判所が訴訟を審理する権限を失うことになります。
    最高裁判所は、この訴訟において、訴訟費用の遅延をどのように判断しましたか? 最高裁判所は、実質的な正義を優先し、訴訟費用の遅延の影響を緩和し、財団の訴訟を審理しました。
    この判決は、他の非営利教育機関にどのような影響を与えますか? この判決は、非営利教育機関が税制免除を受けるための要件を明確化し、教育目的のための収入使用を明確にすることを保証します。
    この訴訟において、最高裁判所は手続き上のルールよりもどのような点を重視しましたか? 最高裁判所は、手続き上のルールよりも実質的な正義を重視し、税制免除に関する憲法上の規定を遵守することを優先しました。
    この判決は、憲法が教育機関に税制免除を認めることの重要性をどのように強調していますか? 最高裁判所は、非営利教育機関への税制免除が、質の高い手頃な価格の教育を促進する上で重要な役割を果たしていることを強調しました。

    本判決は、非営利教育機関が税制免除を受けるための基準と、手続き上のルールが憲法上の権利に優先されるべきではないことを明確にする重要な判例です。憲法が規定する教育機関の税制免除の重要性を再確認し、税制免除の対象となる教育機関を支援するものです。

    本判決の特定の状況への適用に関するお問い合わせは、ASG Lawのお問い合わせまたは、電子メールfrontdesk@asglawpartners.comまでご連絡ください。

    免責事項:この分析は情報提供のみを目的としており、法的助言を構成するものではありません。お客様の状況に合わせた具体的な法的助言については、資格のある弁護士にご相談ください。
    出典:Short Title, G.R No., DATE

  • 教育機関の税制上の地位:免税特権をめぐる最高裁判所の判断

    この判決では、最高裁判所は、収益覚書(RMO)第20-2013号の合憲性について争われた事件において、公益法人・非営利教育機関に対する免税特権が憲法上保障されていることを再確認しました。しかし、その後のRMO第44-2016号の発行により、非営利教育機関がRMO第20-2013号の対象から除外されたため、裁判所は事件が訴訟要件を欠くものとして却下しました。この決定は、非営利教育機関が憲法上の免税特権を享受するにあたって、不必要な行政上の負担を軽減することを示唆しています。

    学校免税の瀬戸際:憲法上の権利対官僚主義の要件

    事件は、セントポール・カレッジ・オブ・マカティ(SPCM)が、歳入庁(BIR)が発行したRMO第20-2013号が違憲であると主張したことから始まりました。このRMOは、公益法人・非営利教育機関が免税の恩恵を受けるための要件を規定していました。SPCMは、このRMOが憲法上の免税特権に対する新たな要件、すなわちBIRによる免税裁定(TER)の登録と承認を義務付けていると主張しました。これにより、既存の財務省命令第137-87号を超える負担となり、情報公開の不履行は免税資格を自動的に失う理由となると主張されました。一方、BIRは、このRMOは単に免税資格を確認するためのものであり、憲法上の特権を侵害するものではないと反論しました。重要なポイントは、行政規則が憲法上の権利を制限できるのか、という点でした。

    地方裁判所(RTC)はSPCMを支持し、RMO第20-2013号は憲法に違反すると判断しました。裁判所は、RMOが新たな要件を課すことは、議会でさえ立法によって制限できない憲法上の特権を侵害するものだと考えました。裁判所は、一時的な差し止め命令を発行し、後に永久的なものとしました。CIRは、RTCの決定を不服として、最高裁判所に上訴しました。

    しかし、この上訴が継続中に、事態は大きく変化しました。現在のCIRであるシーザーR.ドゥレイが、RMO第44-2016号を発行しました。これは、非営利教育機関をRMO第20-2013号の対象から明確に除外するものでした。このRMO第44-2016号は、公益法人・非営利教育機関の免税は、憲法第14条第4項第3号によって直接付与されており、必要な条件は2つしかないことを明確にしました。それらは、(1)学校が公益法人・非営利法人であること、および(2)収入が教育目的のために実際に、直接的かつ排他的に使用されること、です。

    最高裁判所は、RMO第44-2016号の発行を受けて、事件が訴訟要件を欠くものとなったと判断しました。裁判所は、訴訟要件を欠く事件とは、事態の変化によって裁判所の判断が意味を持たなくなる事件を指すと説明しました。この場合、CIRが主張したRMO第20-2013号の違憲性が争点でしたが、その後のRMO第44-2016号によって、非営利教育機関がその適用範囲から除外されたため、問題が解消されました。最高裁判所は、RTCの決定を取り消し、CIRの上訴を訴訟要件を欠くとして却下しました。

    FAQ

    この訴訟の争点は何でしたか? 訴訟の主な争点は、BIRのRMO第20-2013号が、憲法上の免税を受けるための新たな要件を、非営利教育機関に課すことで、免税特権を侵害しているかどうか、という点でした。SPCMは、RMOが新たな登録および承認要件を課すことによって、憲法上の権利を侵害すると主張しました。
    RMO第20-2013号とは何ですか? RMO第20-2013号は、歳入庁(BIR)が発行した規則であり、非営利法人・団体に免税裁定を発行するための手続きとガイドラインを定めています。この規則は、免税裁定を求める組織に、特定の書類の提出と承認プロセスを義務付けていました。
    なぜRTCはRMO第20-2013号を違憲と判断したのですか? RTCは、RMO第20-2013号が非営利教育機関に新たな要件を課すことは、議会でさえ立法によって制限できない憲法上の特権を侵害すると判断しました。RTCは、このRMOが憲法上の免税特権を侵害すると考えました。
    RMO第44-2016号とは何ですか? RMO第44-2016号は、BIRが後に発行した規則であり、非営利教育機関をRMO第20-2013号の適用範囲から明確に除外しました。RMO第44-2016号は、憲法上の免税には2つの要件しか必要ないことを明示しました。
    RMO第44-2016号は、この訴訟にどのような影響を与えましたか? RMO第44-2016号の発行により、最高裁判所はこの訴訟が訴訟要件を欠くものになったと判断しました。なぜなら、訴訟の争点であったRMO第20-2013号が非営利教育機関に適用されなくなったため、紛争が解決されたからです。
    最高裁判所はどのような判決を下しましたか? 最高裁判所は、CIRの上訴を訴訟要件を欠くとして却下し、RTCの決定を取り消しました。これにより、RMO第20-2013号の違憲性についての判断は無効となり、非営利教育機関はRMO第44-2016号に基づいて免税資格を申請することになります。
    この判決の非営利教育機関への影響は何ですか? この判決により、非営利教育機関は、RMO第20-2013号に基づく不要な行政上の負担から解放されました。RMO第44-2016号は、免税を受けるための2つの主要な要件を明確化し、不必要な手続きが排除されることが期待されます。
    非営利教育機関が免税を受けるために必要な条件は何ですか? RMO第44-2016号によると、非営利教育機関が免税を受けるためには、(1)公益法人・非営利法人であること、(2)収入が教育目的のために実際に、直接的かつ排他的に使用されること、の2つの条件を満たす必要があります。

    この判決は、憲法上の免税特権の範囲を明確にし、行政規則による過剰な規制の可能性を抑制しました。今後の法務判断においては、RMO第44-2016号に準拠し、非営利教育機関に対する不必要な負担を避ける必要があります。

    この判決の特定の状況への適用に関するお問い合わせは、ASG Law(contact)または電子メール(frontdesk@asglawpartners.com)でお問い合わせください。

    免責事項:この分析は情報提供のみを目的としており、法的助言を構成するものではありません。お客様の状況に合わせた特定の法的指導については、資格のある弁護士にご相談ください。
    出典:ショートタイトル、G.R No.、日付

  • 教育機関の免税:収益の実際的、直接的、排他的な利用の証明が重要

    本判決は、非営利教育機関が憲法上の免税を受けるには、収益および資産を教育目的に実際に、直接的に、排他的に使用していることを証明しなければならないと述べています。 デラ・サール大学が賃貸収入の特定部分をスポーツ施設の建設融資の返済に充当していることを証明したため、その収入は免税となりました。 ただし、必要な証明がなかった他の収入は課税対象でした。 本判決はまた、以前に認容された証拠にコミッショナーが異議を唱えることの重要性を強調しており、CTAがその専門知識に基づいて提示した証拠の評価を尊重する旨を明確にしています。 判決は、免税の資格を得るには透明性とアカウンタビリティが必要であることを示しています。

    ラ・サール大学は本当にすべての賃料を教室に当てていますか?

    本件は、内部収入長官 (Commissioner of Internal Revenue) と、非営利教育機関であるデラ・サール大学(De La Salle University, Inc.、DLSU) との間で争われた事件です。 中心的な論点は、DLSUの賃貸収入が租税公課を免除されるか否かでした。 納税者は、DLSUのような非営利教育機関は憲法に基づき、実際にかつ直接的に、そして排他的に教育目的で使用されている収入はすべての公租公課から免除される、と主張しました。 内部収入長官はこれに反論し、歳入法典 (Tax Code) に免税措置を認める収入があるにもかかわらず、その他の活動から得た収入の帰属に関わらず課税対象にすべきだと主張しました。 また、内部収入長官は、貸付契約にかかる印紙税(DST) を納税者が納税したか疑わしいとしました。 さらに、コミッショナーは、DLSUが補足証拠を提出することを許可した租税裁判所(Court of Tax Appeals, CTA) の決定に反対しました。

    この訴訟の事実関係は、2004年に始まりました。その時、国税庁(BIR) がDLSUに国税庁検査官に財務諸表その他の経理書類を調査する権限を与える権限付与書 (Letter of Authority, LOA) を発行しました。 2001年から2003年の会計年度に関するすべての内部収益税の納税義務の正確性を確認するためでした。 調査後、BIRは、レストランや食堂の賃貸収入、事業所得に係る付加価値税、貸付及び賃貸契約の印紙税(DST) に関する不足税額をDLSUに対して評価し、DLSUに対し追加料金、利息およびペナルティーを含む17,303,001.12フィリピンペソの支払いを要求しました。

    DLSUは異議を唱え、第14条第4項第3号は、すべての収入と資産を教育目的で実際に、直接的に、排他的に使用する非営利教育機関は、租税公課を免除されると主張しました。 租税裁判所(CTA)はDLSUの一部免訴を認容し、貸付取引の印紙税(DST) の課税は取り消されました。 しかし、不足所得税(VAT) と租税裁判所(CTA) が評価した賃貸契約には利息、追加料金が課税されました。

    DLSUは、その賃貸収入が、実際にかつ直接的に、そして排他的に教育目的に使用されていたと主張し証拠を提示しました。 それにも関わらず、CTAはDLSUによる一部税金しか認容しませんでした。DLSUがアテネオ・デ・マニラ大学 (Ateneo De Manila University) で提出した証拠と同等の証拠を提示した場合にも関わらず、 CTAがアテネオ・デ・マニラ大学 (Ateneo De Manila University) の課税を取り消したことを根拠としてDLSUは上訴しました。 租税裁判所(CTA)はDLSUとアテネオ(Ateneo)では異なった証拠、防御手段が講じられたため、先例とならないと判断しました。

    最高裁判所はCTAの評価を支持し、非営利教育機関の収入、収益、資産が実際にかつ直接的に、そして排他的に教育目的に使用されていることが証明された場合は、租税公課が免除されることを確認しました。 しかし、最高裁判所は租税裁判所(CTA) による損益の計算方法に異議を唱えました。 最高裁判所は、租税裁判所(CTA)が使用した方法は正確ではなく、DLSUに損益を申告させることが出来るようにしたうえで、憲法で保証される非営利教育機関に対する免税を与えるべきだ、と述べました。DLSUは2003課税年度に賃貸収入を教育目的に使用したことを証明する必要がありました。

    DLSUに発行された LOAは、完全に無効ではありません。 2003課税年度の評価は有効です。 税務署が 2003課税年度がLOAで具体的に指定されていたので有効なものと判決し、これにより納税者に課税年度の審査範囲が十分に通知されました。DLSUが 2001課税年度と 2002課税年度で課税対象になったにも関わらず、個別の LOA に定められた RMO No.43-90 の要件を満たしていないため、無効と見なされました。

    重要なことは、DLSUはレンタル料からSports Complexに支払ったことが明らかになりました。 最高裁判所は、収益を実際にかつ直接的に、そして排他的に教育目的に使用したことを十分に証明する補足証拠があると判決し、CTAによる補足証拠の追加容認を是認しました。裁判所はCTAによる証拠の評価が終局的でなければならない、と述べました。

    本判決はまた、財政状態における教育の重要性を認識し、その役割に対する国の方針と奨励的義務に貢献しています。 この憲法の規定は、教育制度および経済全体にとっても不可欠であり、それは将来世代の繁栄に対する国の永続的な投資に繋がるからです。

    FAQs

    本件における核心的論点は何でしたか? 租税裁判所(CTA) が評価した賃貸収入に対する印紙税は、非営利教育機関であるDLSUに免除されますか否か。
    税務当局が提起した主張とは何でしたか? 内部収入長官(CIR)はDLSUのような非営利教育機関は、非課税措置を享受する特定の収入があるにも関わらず、その財産または営利目的の活動からの収入に対して課税されるべきである、と主張しました。
    裁判所が示した非営利教育機関に対する要件とは何ですか? この訴訟では、DLSU のような非営利教育機関は、憲法上の租税債務からの免除のため、収益を実際にかつ直接的に、そして排他的に教育目的に利用したことを証明する必要があります。
    レター・オブ・オーソリティ (LOA) の重要性は何ですか? レター・オブ・オーソリティ (LOA) は税務署職員が納税者の会計帳簿を検査する権限であり、2003課税年度に有効ですが、未検証の以前の年度まで及ぶことになったLOAが議論されています。
    補足証拠の受付に対する CTAの決定が鍵だったのはなぜですか? 控訴人は補足証拠の追加に遅れて異議を申し立てたため、補足証拠は追加されたためDLSUはそれらの証拠を活用でき、結果として課税対象所得の修正につながりました。
    高等裁判所は印紙税に関する租税裁判所(CTA) の判決についてどのように裁定しましたか? 最高裁判所は、モーゲージおよびローン取引のDSTがDLSUの取引金融機関によってオンラインのDSTインプリンティング・マシンを介して支払われたとCTAが判断したことは誤りであるとし、その課税に修正を加えました。
    本件の重要な相違点は何ですか? 同様の組織であるにもかかわらずアテネオ対デラサールの違い、特に類似した証拠の量、関連する問題を正当化した課税責任の差違は注目に値する。
    裁判所は税の統一性に関する議論をどのように考慮しましたか? この訴訟において一様な課税ルールは、すべての関係団体を同様の証拠および合法的な検討を通じて平等に扱うことを意味します。
    最高裁判所の本件における意思決定の基礎となったものは何ですか? 裁判所の裁定は主に憲法規範に準拠し、非営利教育機関への租税課税は、実際にかつ直接的に、そして排他的に教育目的で使用された場合のみとすべきとしています。

    この訴訟の結果は、非営利団体における資金管理に関する憲法上の要求事項の順守について大きな影響を及ぼします。これらの組織は、将来、すべての収益、資産を関連支出と正確かつ完全に一致させ、透明性を強化し、将来の課税紛争のリスクを軽減する必要があります。

    本判決の特定の状況への適用に関するお問い合わせは、ASG Lawにお問い合わせ いただくか、frontdesk@asglawpartners.comまでメールでご連絡ください。

    免責事項: この分析は情報提供のみを目的として提供されており、法的助言を構成するものではありません。 お客様の状況に合わせた具体的な法的助言については、資格のある弁護士にご相談ください。
    出典: 略称, G.R No., DATE

  • 学校の免税特権:建設許可と固定資産税に対する法的解釈

    本判決では、フィリピン最高裁判所は、非営利の教育機関が、共和国法第6055号に基づく免税特権が建設許可に関連する料金にまで及ぶか否かを判断しました。裁判所は、これらの料金は、課税ではなく、規制によるものであり、規制を目的とした警察権の行使から発生し、直接収入を上げることを目的としていないため、課税を目的としないと判断しました。このため、学校の建設や財産利用には料金が適用されるという判断をしました。

    教育施設の免税範囲:建設許可まで及ぶか?

    アンヘレス大学財団(AUF)は、1975年に非営利教育財団に転換された教育機関です。2005年、AUFは11階建ての医療センターを建設するために建設許可を申請しましたが、アンヘレス市から建設許可料と立地許可料を課されました。AUFは、以前に受けた法務省の意見書を引用して、これらの料金の支払いを免除されるべきだと主張しました。しかし、市の財務官と建設責任者は免除を認めませんでした。AUFは異議を唱えながら料金を支払い、後に払い戻しを求めましたが、これは拒否されました。この訴訟は地方裁判所に提起され、当初はAUFに有利な判決が下されましたが、控訴院で覆され、料金は規制によるものであり、免税の対象ではないと判断されました。

    この裁判における中心的な問題は、AUFが国立建築基準法に基づく建設許可関連の料金の支払いを免除されるか、また固定資産税の評価を受けた土地が免除されるかという点でした。共和国法第6055号は、財団の教育活動から得られるすべての収入、または教育活動に専ら使用されるすべての財産に対して政府が課す税金、輸入関税、査定、その他の料金の支払いを免除することを規定しています。しかし、国立建築基準法は、政府機関を含むすべての個人、企業に、建物の建設、変更、修理を行うには建設許可を取得することを義務付けています。

    裁判所は、「料金」とは「何かの価格またはレート」として広く定義され、「手数料」とは「公務員のサービスまたは政府の管理下にある特権の使用に対して法律で定められた料金」であると指摘しました。地方自治体法第7160号では、「料金」とは、人または財産に対する賃料または手数料としての金銭的責任を指し、「手数料」とは、事業または活動の規制または検査のために法律または条例で定められた料金を意味します。料金という用語は一般的な用語であり、特定の手数料をカバーする可能性がありますが、建設許可料はAUFが明示的に免除された「その他の料金」には含まれないと裁判所は判断しました。

    裁判所はさらに、共和国法第6055号第8条に記載されている「その他の料金」は、「財団の教育活動に専ら使用されるすべての財産に対して政府が課す」という文言で限定されていると説明しました。建設許可料は財産に対する課税ではなく、政府の規制対象となる活動に対する課税です。したがって、料金は特定の財産に関連する可能性がありますが、所有者が建物を建設したり、修理、変更、改築、または解体するために行う活動に対して実際に課せられます。これにより、建設許可料が規制によるものであることが強調されます。

    第102条 政策宣言

    州の政策は、健全な環境管理および統制の原則と一致して、人命、健康、財産、および公共の福祉を保護することと宣言され、この目的のために、この法典の目的は、すべての建物および構造物に、その場所、敷地、設計、材料の品質、建設、使用、占有、および保守を規制および統制するための最小限の基準および要件の枠組みを提供することです。

    建物の種類、建設費、床面積、高さなどの要素に基づいて建設許可料が計算されるという事実は、料金が恣意的に決定されたり、規制対象となる活動と無関係であることを示すものではありません。AUFは、アンヘレス市が課す料金が規制および検査の費用を超えて不当であることを証明することができませんでした。警察権の一形態としての規制と課税を区別する上で、決定的な要因は実施される措置の目的です。目的が主に収入を上げることである場合、その措置が何らかの形の規制をもたらすとしても、それは課税と見なされます。一方、目的が主に規制することである場合、収入が偶発的に発生したとしても、その賦課を課税と見なすことはありません。国立建築基準法に基づいて政府が課す建設許可料の場合、収入は偶発的に地方自治体の利益のために発生します。

    1991年の地方自治体法の第193条に対するAUFの依存もまた見当違いです。この規定は、地方自治体法で別途規定されていない限り、地方水道事業地区、共和国法第6938号に基づいて正式に登録された協同組合、非営利の病院および教育機関を除く、政府所有または管理下の企業を含む、すべての自然人または法人に付与された免税またはインセンティブは、この法の施行時に取り下げられると述べています。規制手数料の支払いの免除は、共和国法第6055号に基づいてAUFに付与されたインセンティブには含まれていなかったため、1991年の地方自治体法に基づいて保持されているインセンティブはありません。その結果、控訴院がAUFは建設許可および関連料金を支払う責任があると裁定したことに可逆的な誤りはありませんでした。

    AUFは、非営利の教育機関に転換した教育機関に与えられた免税特権は、政府が課すその他の料金も含むように拡大されたと主張しました。裁判所は、固定資産税に関する主張について、AUFはその不動産が教育目的に実際、直接的、かつ排他的に使用されていることを証明する責任を果たせなかったと判断しました。土地は非公式居住者に占拠されているため、現在その活動専用ではありません。その結果、控訴院はAUFが異議を唱えて支払った固定資産税の払い戻しを受ける権利がないと裁定する上で誤りを犯しませんでした。

    FAQs

    この事件の重要な問題は何でしたか? この事件の主要な問題は、非営利の教育機関であるAUFが、国立建築基準法に基づいて課される建設許可および関連料金の支払いを免除されるかどうか、また、固定資産税について査定されたAUFが所有する土地が免除されるかどうかでした。
    共和国法第6055号とは何ですか? 共和国法第6055号は、教育機関が株式会社から非営利の財団に転換することを規定する法律です。非営利の教育財団に対する税の免除などのインセンティブも定めています。
    なぜ裁判所はAUFが建設許可料の支払いを免除されないと判断したのですか? 裁判所は、建設許可料は財産に対する課税ではなく、規制目的のための活動に課せられる料金であり、共和国法第6055号に基づく免税対象には含まれないと判断しました。料金は主に建物の規制と安全性確保を目的とするため、課税ではありません。
    警察権とはどういう意味ですか? 警察権とは、公共の健康、安全、福祉を促進するために、州が個人または法人の権利を行使または制限する能力を指します。建築基準や許可の発行は、多くの場合、警察権の行使と見なされます。
    財産税免税に関する憲法の要件は何ですか? 憲法は、宗教的、慈善的、または教育目的で実際的、直接的、かつ排他的に使用される土地、建物、および改善は課税から免除されると規定しています。財産をこれらの目的に排他的に使用する必要があります。
    AUFは、固定資産税の免除を受けるためにどのようなことを証明する必要がありましたか? AUFは、関連する税務期間中、その土地が実際的、直接的、かつ排他的に教育目的のために使用されたことを証明する必要がありました。これには、非公式の居住者の使用を除外することが含まれます。
    「Inclusio unius est exclusio alterius」という法律の原則とは何ですか? 「Inclusio unius est exclusio alterius」とは、「1つを含めると、他のものを除外する」という意味のラテン語の法原則です。特定のものが法律で列挙されている場合、法律が言及していないすべてのものが除外されることを示唆します。
    「Ejusdem generis」ルールとは何ですか? 「Ejusdem generis」は、「同じ種類」を意味するラテン語の法的規則です。列挙された特定の項目のリストの後に一般的な用語が続く場合、一般的な用語は特定の項目の種類のものに限定されます。

    この判決により、教育機関は建築許可に関連する規制手数料を支払う必要があります。建築許可と料金は、単なる徴収のための手段ではなく、安全性と規制を遵守するためのものであり、教育目的で使用される資産への課税とは異なります。教育機関は引き続き適切な法令順守が必要です。

    この判決の特定の状況への適用に関するお問い合わせは、お問い合わせいただくか、frontdesk@asglawpartners.comまでメールでASG Lawまでご連絡ください。

    免責事項:この分析は情報提供のみを目的として提供されており、法的助言を構成するものではありません。お客様の状況に合わせた特定の法的指導については、資格のある弁護士にご相談ください。
    出典:Short Title, G.R No., DATE